〔読了〕むかしのはなし
三浦しをんさんの『むかしのはなし』を読んだ。
読書のーとを始めてから、小説を読むのは初めて。
ネタバレしないように気を付けながら書こう。
感想をざっくり
・好みな仄暗い話だと思ったら、短編同士が繋がっていて、伏線回収系な展開に。
・『ラブレス』と『ロケットの思い出』と『たどりつくまで』が好き。
・『ディスタンス』で胸糞が悪くなり、『入江は緑』でのほほんと思いきやここから話が展開し、『花』で人を好きになることについて少し考えた。
あとがきと解説が良い
語り手が筆者のあとがきは、物語の一部になっていて、そういう仕組みが面白い。このあとがきがあるおかげで、物語の記録はどこに保管されていたものなのだろう、などと想像が膨らんでしまう。
解説は、分析的な内容だ。解説が感想ではなく、ちゃんと解説になっている。解説者の読書経験の抱負さが滲み出ており、非常にかっこいい。僕も、そういう視点で、"解説"が書けるようになりたい。
分析的な解説が僕は好きだ。(著者との仲良し感が伝わってくる感想も嫌いではないよ。)
読みながらメモしたことをざっくり
・愛に気づいた時は手遅れ。
あれが愛だったのか、という過去形。
・ペットをペットショップで買うということは、一緒に過ごすかけがえのない存在を金で買うという捉え方がある。
・孤独の表現が好き。
一人はとても気楽だからやめたいと思わない。しかし、ふと、誰かと共有する思い出がないと気づいた瞬間に、孤独を感じてしまう。
・恋や愛に不安はつきもの。
追いかけられる恋や無条件に与えられる愛だとしても、ある日突然飽きられたらどうしようと不安になるものだ。
・物語全体に共通して流れる寂しさ。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/02/01
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おしまい。