1回目の断捨離終了
bokupu.hatenablog.com
↑の記事で書いた本や、メンターさんに背中を押されながら行った断捨離。一区切りがついたので、感想を書いておく。
成果と今後
・クローゼットの扉が閉まり、床の荷物が想定より片付いた為、一旦終了。
・持ち物が4分の1程度に。
・日記と写真と学生時代の文集は保留している。開いてすらいない。過去との対峙が恐い?
・次回の断捨離は、衣類の譲り先が決まり、新しいスペースの見通しがついたら実施。しまった場所を忘れても、引き出しを順に開ければ自然と出てくるくらいに減らしたい。
捨てた物
・「使う機会があるかも…」で5年以上経っている物、何となく取っていた瓶、プラスチック製のケース。
・嫌な過去を思い出す物、過去への執着を呼び起こす物。
・昔の趣味に関するコレクション全て。何となく惜しい物は不透明な袋に入れ、見えないようにして捨てた。これは、かなり良い効果があった。
・前職での在庫。
・思い入れの無い無駄な装飾品。アクセサリーや置物など。
変化
・一番の変化は物欲。無駄な物を心が求めなくなった。物を購入するときの基準が、本当に必要であるか、用途が決まっているか、使いやすそうか、十分な機能を備えているか、の4つになった。また、置くスペースを作ってから買うようになり、衝動買いがなくなった。必要な物とそうでない物の区別がつくようになってきた。
→以前の基準は「何となく」と曖昧で、感情や値段であることが多かった。買ってから置き場所を作っていたので、数日放置することも。当然、そういう物は必要に迫られて買ったものではない。
・掃除が楽になり苦手意識が薄れた。水回り等の掃除回数が増えるという良い連鎖も。
・物の出し入れがしやくなり、あったところに戻すがスムーズに。特別頑張らなくても、整頓された状態が長続きしている。
・室内での集中力が高まった。
・気持ちがスッキリしたせいか、睡眠の質が改善した。朝から活動的になり、タスク処理やルーティン作業の効率が良くなった。
・以上から精神的な余裕と充実感が生まれ、生活の質が向上したように感じる。
・この変化が継続することに期待。
捨てて後悔した物
・特になし。
・捨てた物のほとんどを覚えていないのが正直なところ。その程度の物に、心と収納のスペースを奪われていたことになる。(捨てたものはすぐに忘れて、物の束縛から解放された方がいいかもしれない)
おしまい。
寂しさをモノで埋める生活はやめにした。 -〔読了〕シンプルを極める-
『シンプルを極める』ドミニック・ローホー(著)原秋子(翻訳)を読んだ。
所有物を少なくするメリットが書かれている。部屋を片付けたいがどうしていいか分からない人、断捨離したいけどなかなか一歩を踏み出せない人におすすめの一冊。
毎度のように書いているが、本との縁は不思議である。偶然ではないように感じる。
僕は今、断捨離中だ。
それなりに価値があり、いつか売ろうと思いながらも、ひどく面倒で放置していたモノ。それを思い切って捨てた。お金のためにお金を稼ぐタイプ(そこに美学や哲学はない)の仕事で仕入れた商品の在庫だ。仕事への熱はすっかり冷めてしまっており、一年程前に引退していた。しかし、その在庫の価値を知っているため、なかなか捨てられずにいた。
それをついさっき、黒いごみ袋に包み、パッケージが視界に入らない様にして捨てた。同時に、「いつか売らなければ」という焦りの気持ちも、ゴミ箱の中へ消えていった。今日、僕は、あの重苦しい「売らなければ」から解放され、やっと引退できたのだ。
断捨離を終える頃には、思考回路もすっきりシンプルになればいい。
冷静に見つめたら、そこはゴミの山だった。
いつの間にか。僕の部屋の衣装ケースの前にはさらなる服の山ができ、仕入れた商品でクローゼットの扉が閉まらなくなり、収納ケースはガラクタが引っかかって開かない、床は大小様々な鞄や空き箱で散らかり、壁際は梱包材の山ができている。そんな状況になっていた。
この部屋は、過去の些細な思い出と未練、未来への小さな不安でぎゅうぎゅうだ。あれもこれも思い出と結びつけては溜め込んでいた。先で使うことになるかもしれない、売る機会があるかもしれないと、ただのゴミを自分だけにわかる宝物のように取っていた。
捨てながら自分を発見していく楽しみ。
なぜ、僕は今まで捨てようとしなかったのだろう。その理由は大きく分けて3つある。
1.モノで自分の不完全さを補おうとしていた。
2.モノに依存し、心の空白を埋めようとしていた。
3.モノの価値をお金に置き換えていた=金銭的価値に対する未練。
1、2については、なりたい自分(願望)に現実を合わせようとしていたことが原因。当然、そんなことをしたら無理が生じてしまう。その無理を何とかしようと、現実で足りてない部分を無意識にモノで補おうとしていた。これは自分に嘘をついている不健全な状態である。その不健全な状態でも自分を保つため、さらにモノへ依存するという悪循環が、服とガラクタの山を築いていた。
3のせいでクローゼットからモノ(前述の商品)が溢れた。モノの価値とは、自分に必要かそうでないかで決まるもの。買い手がつけば金銭的に価値がある商品だとしても、その中身は残念ながら、僕の生活には全く必要のないものであった。
不必要なモノは"今"を生きることの邪魔をする。
自分に纏わりつく過去と、将来への不安を削ぎ落としたい。
過去に決別したと言うのは口だけだったことに気づくと、過去を彷彿させるモノに嫌悪感すら覚えるようになった。不安を解消する為に溜め込んでいたモノは、ゴミにしか見えなくなった。
資本主義的な意味での贅沢ではなく、心を穏やかに保つための贅沢をしたい。モノの呪縛から解き放たれた、自由で上質な時間を味わいたい。理想の自分ではなく、ありのままの自分を大切にしたい。
きっかけはメンターさん。
勝手にメンター(心の師)認定をさせてもらい、ツイートを拝見している三月京介さんのプロフィール。
twitter.com
クールすぎる。この"シンプルっていいな"が断捨離を始めたきっかけ。"いいな"が、"どうして僕の部屋は物で溢れているんだろう?"に繋がり、この本に出会って答えが見えてきた。
モノを捨てることは、心を雁字搦めにしている執着心を捨て、自己を解放する為のファーストステップだ。身の周りをシンプルにして、自分のコアを可視化しよう。残ったモノが僕のコアだ。
モノを通して自分と向き合い、見つめ直し、これからは良い歳の取り方をしたい。
まずは、一番ゴミに近いであろうモノ(使えない、使わないモノ)を捨てている。一通り終わったら、次は、必要なモノを残す(些細な思い出や愛着を捨てる)作業に入ろう。
- 作者: ドミニック・ローホー,原秋子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2011/02/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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おしまい。
貢献から始めよう 〔読了〕トップ5%の営業マンだけが知っている34の方法
貢献の大切さが懇々と説かれている一冊。
『トップ5%の営業マンだけが知っている34の方法』(著 五島 聡、大坪 勇二) を読んだ。
営業マン。僕のイメージでは、必要のない高いものをゴリゴリ押し付けてくる人、だ。
こちらの都合は無視、張り付けた笑顔に弾丸トーク、しつこい、不快。突然のDM、作品が好きですと近づいてくるリプライ、不快。
話し掛けられたほぼ全ての営業マンが、一方的なタイプだった。彼らの目に映っているのは僕の顔ではなく、契約という2文字、そして金。営業は他人に嫌なことをしなきゃいけない職業だと、失礼ながら、そういうイメージを抱かずにはいられない。
しかし、これは"貧乏営業マン"なる者のイメージであり、全ての営業マンが不快な存在ではないらしいことを、この本で知った。
不快な営業マンに当たった僕の運が悪かったわけではない。そうじゃない営業マンの存在が希少なだけなのだ。今の僕で当たらないのは当然といえば当然。
もしも、嫌な感じがしないの営業マンに出会ったなら、その縁は大切にしようと強く思った。
物事の原理原則メモ
・アプローチはギブから
・信頼は貢献の後についてくる
・仕事=学びと努力
・惜しみなく価値を提供する→繋がりの強化
・貢献=自分の価値が高まる
・運は努力から成るもの
営業職に関わらず、大切にしていきたいこと。
僕の目標
”読書で貢献する”、これが僕の中にあるもっともシンプルなビジョンだ。
①質を重視したSNSでの繋がり
50人のメンターと出会う。そして、僕を知ってもらう。相手にしてもらえる人材になる。
そのためには、言葉によって価値提供をできるようになることが必要。メンターと同じレベルで思考できるようになり、やり取りによって互いの思考をさらに深めていけるような関係を築きたい。
②知識も経験も知恵も不足不足不足
本を読み、自分の中にない考え方や価値観を吸収する。実践できるものはすぐに実践し、その過程を発信することが、誰かへの貢献になればと考えている。僕のことを踏み台にしてくれて構わない。むしろ、最初はそういうポジションを狙っていきたい。不足を逆手に取る。
付き合ってはいけない人
P166の①~③は参考になったし、反面教師にしなければなと。挙げられている3つをしなければ、最低でも「無害な人」でいることができる。
- 作者: 五島聡,大坪勇二
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2012/07/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 4回
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おしまい。
最近読んで良かったweb記事 〔web読書〕
最近読んで良かったweb記事を4つ。
なりたいもの と やりたいこと
言葉って重要だなと。
この記事を読むと、無意識に使っている言葉の間違いに気づかされる。それは些細な、普通の会話では問題のない、本当に小さな間違いなのだけれど、人生にはマイナスに作用する重大な間違い。
その間違いが職業選びという身近な例で解説されている。とてもわかりやすく。
自分コンパス | 自分探しをおしまいにするための、自己理解メディアは、言葉の本質に触れた記事が多い。難解で抽象的になりがちな"言葉"というテーマが、分かりやすい具体例と噛み砕かれた解説によって、読みやすくまとめられている。どうやったらここまですっきりと解説できるのか。言葉と現実の隙間を、丁寧に縫い合わせるかのような考察に感嘆した。
この記事と次に紹介する記事は、教師をされている方に是非読んで頂きたい。生徒の迷いがどこから生じているのか、わかるのではないだろうか。
やりたいことの細分化
やりたいことをより具体的に。
自分コンパスから、この記事もおすすめ。僕も考えてみた。
・やりたいこと 視点と思考のアップデート、読書の意味や楽しさを伝えたい、良質なweb記事を広める
・好き 本を読んでる時は心地よい、本の内容をまとめてコレクションする
・得意 活字を読み続けても疲れない
・価値観 一人の時間が大切、とにかく静かに暮らしたい
・貢献 知識と思考の共有、拡散
・欲しいもの 本と情報機器を買うお金、静かな居住スペース
・やってみたいこと 創作分野の展示会に作り手として参加
得意の項目がいまいち。自分の中にあるものをいざ言葉にしようとすると難しいな。自分に自信がないのばれる。向き合わなければね。
自律訓練法
ja.wikipedia.org
※やってはならない疾患があるので、よく調べてから実施すること。
僕は、寝る前に頭が冴えて眠れない、眠りが浅い、神経が休まらないことに悩んでいた。
前からなんとなく瞑想が気になっていて、やり方を調べている途中で見つけたのが自律訓練法。自分の"今"を意識し、リラックスする方法だ。
途中で入眠しても構わないところが採用した理由。いつも第3公式あたりで眠りに就いてしまう。
実践し始めてから2週間が経った。変化をまとめると。
・寝る前の冷えが改善された
・気づいたら眠っている
・思考をOFFにするコツを掴みつつある
・起床時の体の凝りが軽減
・日中の焦燥感(そわそわ)が減った
↓手順だけの確認なら、こちらのページが分かりやすい。
mental.m.u-tokyo.ac.jp
価値観の違いをプラスに
僕の場合はケチだけど、お金の管理(記録とか計算とか投資)が苦手だ。
互いに価値観が違っても、自分にないものを補えるなら関係は上手くいく。お金に対する価値観が違っても喧嘩にならないってすごい。
嫁は自分の欲しいものが分かっている。だから欲しくないものをセールだからと言って買うことはない。結果、無駄なものが増えない。 愛着のあるものだけが家にある生活は楽しい。
金銭感覚が違う彼女と結婚して夫婦になって思うこと - 共働きサラリーマンの家計簿
これはよくわかる。欲しい商品を買うのか、割引という付加価値を買うのか、そこの違い。
割安だから大容量にする→大量に余って無駄になるパターンはありがち。大容量使う見込みがあり、最初からそれを求めていたなら買えばいい。
おしまい。
仕事の足を引っ張る危険な6タイプ - 〔読了〕組織の掟
インテリジェンス機関。エリートすぎて未知な世界を、佐藤優さんの視点を借り、こっそりと覗いてきた。登場する人々のキャラクターの濃さが、固くなりがちな話に、程よい緩みを与えてくれる。
知らない世界を少し深くまで覗くことができる、それは読書の醍醐味の一つである。
この記事では主に、"仕事の足を引っ張るタイプ"についてまとめたが、この本の面白さはそれだけじゃない。モサドというすごいインテリジェンス機関のすごい人が作った職業適性テストや、世渡り上手になるための筆者の工夫、一番病など、マーカーを引いた箇所はまだある。
仕事の足を引っ張る危険人物6タイプ
▼能力がないのにやる気だけあるタイプ
このタイプに見られるのは、朝令暮改な指示を出すリーダー。ブレまくりで不安定なので、リーダーとしての役割を果たさない。
そして、トラブルメーカーな下っ端。余計なことに頭を突っ込んで自爆し、チームの成果をマイナスに突き落とす厄介なチームメイト。関わらない方が良い。
能力がなくやる気もないタイプは、与える仕事さえ間違わなければ、大きな問題を起こす可能性は低い(問題を起こすためのやる気を持ち合わせていないから)。"能力がないのに~"タイプより扱いやすい。
▼ピンチで泣くタイプ
追い詰められると泣いちゃう人。泣いてもどうにもならんよね。事態が好転することも、落ち切った評価が上がるはずもない。何か悪いことをしたならきっちり謝って、お家に帰ってから一人で泣こう。
▼組織に入ることが最終目標タイプ
就活を頑張り過ぎて、燃え尽きちゃうタイプ。組織に入って働くことが目的じゃないので、伸びしろがない。
受験でも同じこと起こるよね。志望校に入学してそれで満足して、自分探ししなきゃいけなくなるやつ。なんかそういうの身に覚えがあるな…。
▼ネガティブを撒き散らすタイプ
口からネガティブを吐き出す人。発される言葉は瘴気を帯びているので、耳に入れてはいけない。感染する。相手にするのは時間の無駄でしかない。
▼嘘つきさん
プライドが高すぎて、仕事のミスを嘘で誤魔化しちゃう人。やりました(嘘)→後でやろう→やり忘れる→ちゃんとやりました(嘘)、このパターンが危険すぎる。組織全体の信用を落とす大事件に発展することがある。
ミスをした時はどんなミスでもすぐに認めて、すぐに修正すること。
上司の立場になったとき、これらの危険人物に仏心を出して関わりを持ってしまうと、組織に大迷惑をかける結果に。その責任はもれなく自分にも。関わりはなるべく、いや、絶対に避けたい。
読みながらメモしたことをざっくり
・グループでの仕事は掛け算。ゼロの人間が一人でもいると、全体がゼロになってしまう。
・勉強は自分との闘い。昨日より今日、今日より明日。他人と闘わないように。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
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おしまい。
〔読了〕むかしのはなし
三浦しをんさんの『むかしのはなし』を読んだ。
読書のーとを始めてから、小説を読むのは初めて。
ネタバレしないように気を付けながら書こう。
感想をざっくり
・好みな仄暗い話だと思ったら、短編同士が繋がっていて、伏線回収系な展開に。
・『ラブレス』と『ロケットの思い出』と『たどりつくまで』が好き。
・『ディスタンス』で胸糞が悪くなり、『入江は緑』でのほほんと思いきやここから話が展開し、『花』で人を好きになることについて少し考えた。
あとがきと解説が良い
語り手が筆者のあとがきは、物語の一部になっていて、そういう仕組みが面白い。このあとがきがあるおかげで、物語の記録はどこに保管されていたものなのだろう、などと想像が膨らんでしまう。
解説は、分析的な内容だ。解説が感想ではなく、ちゃんと解説になっている。解説者の読書経験の抱負さが滲み出ており、非常にかっこいい。僕も、そういう視点で、"解説"が書けるようになりたい。
分析的な解説が僕は好きだ。(著者との仲良し感が伝わってくる感想も嫌いではないよ。)
読みながらメモしたことをざっくり
・愛に気づいた時は手遅れ。
あれが愛だったのか、という過去形。
・ペットをペットショップで買うということは、一緒に過ごすかけがえのない存在を金で買うという捉え方がある。
・孤独の表現が好き。
一人はとても気楽だからやめたいと思わない。しかし、ふと、誰かと共有する思い出がないと気づいた瞬間に、孤独を感じてしまう。
・恋や愛に不安はつきもの。
追いかけられる恋や無条件に与えられる愛だとしても、ある日突然飽きられたらどうしようと不安になるものだ。
・物語全体に共通して流れる寂しさ。
- 作者: 三浦しをん
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おしまい。
壁を取っ払い世界を見渡せ - 〔読了〕バカの壁
少し前のベストセラー本。養老孟司さんが書いた『バカの壁』を読んだ。
反応の一次方程式(y=ax)
反応=現実的な重み(好みや興味の有無などの主観)×起こっていること、情報
僕なりにまとめてみた。簡単なことなのに、今まで考えたことがなかった。
aの部分(好みや興味の有無などの主観)が個性を作り上げていそうだ。
この方程式については、わかりやすい例が書いてある本文を、是非参照してほしい。
一元論の罠
基盤を持たない人は弱い。やりたいことがわからなかったり、努力が嫌いだったり、自分を探して迷子になってたり…。ちょっと前の僕みたいな人のことだ。
人はその弱さを補う為に、一元論を求めてしまうことがある。基盤の作り方がわからず困っている人や、作るのが面倒で楽をしたい人にとって、一元論はとても頼もしいものに見える。人生や社会の仕組みが一元論で語られ、「どうぞ基盤にしてください」と差し出されたら、つい受け取ってしまうだろう。
僕がそうだった。一つの原理であらゆるものが説明できることに感動を覚えた。疑うための知識がなかったから、いかにもそれっぽく語られた原理を信じた。その原理を知ったのだから安全な壁の中で安心して暮らせると、暢気で世間知らずな僕は胡坐をかいた。
その壁は"バカの壁"だった
読書やTwitterをしていて気付いたのである。世界は実に様々な考え方、生き方、アイディア、創造で溢れかえっている。そこにある、一つの原理ではとても説明しきれない人間の多様性と可能性が眩しくて、綺麗だと思った。そんな世界で、壁の外で生きたいという強烈な感情が湧いた。
年齢的にみて気付くのは遅かった。恥ずかしい話である。気付かないよりはマシだった、と自分を励ましながらブログを作った。苦労を踏み台にし、自分の足と意思で壁の外へ出るほかない。
楽をせずに壁をよじ登って、自分の世界を丸ごと変えてみたい。一元論のベールを剥がした世界は、どんな景色をしているだろう。
- 作者: 養老孟司
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- 発売日: 2003/04/10
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おしまい。